2026年6月、南アフリカで一人の日本人ランナーが歴史的な走りを見せました。舞台は「世界最大・最古のウルトラマラソン」と呼ばれるコムラッズマラソン。距離はフルマラソンの2倍近い85.777kmです。この過酷なレースで5位に入賞したのが、コモディイイダ所属の岡山春紀選手でした。1
「5位」という数字だけを見ても、ウルトラマラソンに馴染みがない人にはピンとこないかもしれません。しかしこの結果は、日本のウルトラマラソン史でもまれな快挙とされています。1,2 この記事では、コムラッズマラソンがどれほど過酷な大会なのか、岡山選手の5位入賞がなぜすごいのかを、専門知識がない人にもわかるように紹介します。そして記事の後半では、9年半在籍したチームを離れ、プロランナーとして新たな一歩を踏み出した岡山選手と、その背中を押すCEPの想いもお伝えします。
コムラッズマラソンとは何か。世界最大・最古のウルトラマラソン
コムラッズマラソンは、南アフリカで1921年から続くウルトラマラソン大会です。2026年大会は第99回にあたり、約2万人のランナーが出場しました。1,2 「ウルトラマラソン」とは、公式競技として定められたフルマラソンの距離42.195kmを超える長距離走のことです。50km、100km、100マイルなど種目はさまざまですが、コムラッズマラソンの距離は85.777kmにおよびます。
コースは南アフリカのダーバンからピーターマリッツバーグまで。スタート地点よりゴール地点のほうが標高が高く、最大高低差は約820mにおよびます。2 これは箱根駅伝5区とほぼ同程度の高低差です。2 フルマラソンを走り終えたあとに、さらに40km以上を上り基調のコースで走り続けるとイメージすると、その過酷さが伝わりやすいかもしれません。
フルマラソンと比べるとどれくらい違うのか
数字だけでは実感しにくいので、フルマラソンとの違いを表にまとめました。
| フルマラソン | コムラッズマラソン(2026年) | |
|---|---|---|
| 距離 | 42.195km | 85.777km |
| 高低差 | 大会により異なる | 約820m(上り基調) |
| 岡山選手のタイム/ペース | ― | 5時間24分46秒/キロ3分47秒1 |
キロ3分47秒というペースは、フルマラソンに換算すると2時間39分台に相当する速さです。これを2倍以上の距離、しかも上り基調のコースで最後まで維持し続けたことになります。
5位入賞が、なぜ「快挙」と言えるのか
岡山選手の5位は、日本人として歴代2人目となる10位以内入賞でした。1 コムラッズマラソンで日本人が10位以内に入ったのは、2019年に風見尚選手が3位に入って以来のことです。1 100年近い歴史を持つ大会で、10位以内に入った日本人はこの2人しかいません。
出場したのは岡山選手だけではありません。この大会には100km世界記録保持者や、50km世界選手権を制した選手など、各国のトップ選手が集まっていました。1 約2万人が出場するなかで、世界トップクラスの選手たちに混じっての5位です。今大会では日本人選手のなかで最上位の結果でもありました。1
自費参加という舞台裏
岡山選手はこのレースに、日本から南アフリカまでの渡航費用として約21万円を自己負担して臨みました。2 結果として131,000ランド(日本円で約127万円)の賞金を獲得しています。2 実業団の看板ランナーとして万全の環境で送り出されたわけではなく、一人の市民ランナーとして自らリスクを取って挑んだレースだったこともわかります。
岡山春紀選手はどんな選手なのか。陸上部に入れなかった青年から世界一へ
岡山選手は熊本県を地元とし、東京農業大学を卒業しています。4,5 実は大学の陸上部には、入部基準となるタイムをクリアできず入ることができませんでした。1,2 それでも独自にトレーニングを続け、学生時代から市民ランナーとして大会で結果を残していきます。4
転機となったのは2022年です。8月27日にドイツで開催された第31回IAU100km世界選手権に日本代表として初出場し、そのまま優勝を果たしました。4 このときのタイム6時間12分10秒は、当時の世界歴代3位にあたる記録でした。4 大学の部活に入れなかった青年が、数年後に世界一のタイトルをつかんだことになります。
仕事をしながら世界を目指した、岡山選手の日常
コムラッズマラソンに挑んだ当時、岡山選手はコモディイイダに一般社員として勤務しながら競技を続けていました。1 担当していたのは、地域を巡回する移動スーパー「とくし丸」の仕事です。1
練習は仕事の前後に行っていました。朝は4時台に起きて2時間ほどジョグをしてから出勤していたといいます。1 勤務地が埼玉県春日部市やふじみ野市になった日は、そのまま東京都世田谷区の自宅まで20〜30kmを走って帰る「帰宅ラン」で練習を積んでいました。1
専用のトレーニング施設や恵まれた練習環境があったわけではなく、通勤や退勤の時間そのものを練習に変えていた点が印象的です。世界大会でメダルを争う選手が、同時に一人の会社員として働き続けていました。この両立こそが、当時の岡山選手の走りをより際立たせていたといえます。
ウルトラマラソンという競技について知っておきたいこと
ウルトラマラソンは、フルマラソンより長い距離を走る競技全般を指します。50km、100km、100マイル(約161km)、さらには24時間走のように時間で区切る種目まで、形式はさまざまです。日本国内でもサロマ湖100kmウルトラマラソンをはじめ、各地で大会が開催されています。
フルマラソンとの大きな違いは、走る時間の長さです。トップ選手でも数時間、一般ランナーであれば10時間を超えることも珍しくありません。長時間、体を動かし続けることになるため、ペース配分や補給の計画、そして足元の装備選びも、フルマラソン以上に重要な要素になります。
たとえば30km、40kmと距離が伸びてくると、足裏の違和感や靴下のズレが少しずつ気になり始めることがあります。フルマラソンでも終盤にこうした感覚を覚える人は多いはずです。ウルトラマラソンではその距離がさらに数十km延びるため、足元のコンディションを長時間キープできるかどうかが、レース後半の走りを大きく左右します。
次のステージへ。プロランナーとして新たな一歩
岡山選手は2026年8月31日をもって、約9年半在籍したコモディイイダを退部・退社しました。5 一般社員として入社し、2020年の愛媛マラソンをきっかけに強化選手として競技を続けてきた岡山選手にとって、大きな節目です。退部にあたり、岡山選手は自身のX(旧Twitter)で、監督やチームメイト、職場の同僚への感謝の言葉を綴りました。5
コモディイイダ所属としての最後のレースとなったのは、2026年8月22日に地元・熊本のグリーンランドで行われた「グリーンランド トワイライトマラソン2026」でした。6 2時間耐久(ソロ)の部で優勝し、有終の美を飾りました。6 地元で迎えたラストランには、父と兄も駆けつけて応援したといいます。6
退部にあたり、CEPへ挨拶に来てくれました
9年半、実業団の看板を背負って世界と戦い続けてきた岡山選手が、コモディイイダを離れるにあたって、CEPのもとへもわざわざ直接挨拶に来てくれました。
CEPは岡山選手のオフィシャルパートナーとして、これまでパフォーマンスを発揮するための支援を続けてきました。3 そのパートナーの一社にすぎないはずのCEPにまで、区切りの大きなタイミングで足を運び、感謝を伝えてくれたことに、私たちは心から感激しました。世界を舞台に戦い続けてきた選手でありながら、こうして一つひとつの関係を大切にする岡山選手の人柄に、あらためて触れさせてもらった一日でした。
振り返ってみると、CEPは岡山選手のこれまでの挑戦にも、ずっと寄り添ってきました。世界最古のウルトラマラソンであるコムラッズマラソンの前日、岡山選手は自身のFacebookでレースへの意気込みを綴りましたが、7 そこに添えられた装備一式の写真には、ゼッケンやシューズと並んでCEPのアイテムも写っていました。7 コモディイイダでの有終の美となったグリーンランド トワイライトマラソン2026でも、岡山選手はCEPのプロランウルトラライトコンプレッションソックスのミッドカットとベルトを着用してレースに臨んでいました。6 大きな挑戦にも、節目のレースにも、CEPはいつも岡山選手のそばにありました。
岡山選手は今、スポンサーを募集しています
退部の発表とあわせて、岡山選手は「これからスポンサーを募り、本気でプロを目指していきます」と、今後の方針を自身のXで明かしました。5 実業団という後ろ盾を持たないまま、これからは自分自身の力でスポンサーを探し、競技を続けていくことになります。5
世界最古のウルトラマラソンで日本人歴代2人目という結果を残し、世界選手権でも優勝経験のある選手が、今まさに一人のチャレンジャーとして、新しいスタートラインに立っています。CEPは、岡山選手のこの挑戦を、これからも応援していきます。
一緒に、岡山選手を応援しませんか
CEPはこれからも、岡山春紀選手のオフィシャルパートナーとして、そして一人のファンとして、岡山選手を応援し続けます。3 この記事を読んでくださったみなさんにも、ぜひ岡山選手のことを知っていただき、これからの挑戦を一緒に見守っていただけたら嬉しいです。
岡山選手がコムラッズマラソンでも、グリーンランドでのラストランでも身につけていたのが、CEPのウェアでした。6,7 岡山選手を支えてきたCEPの製品が気になった方は、ぜひ公式サイトのランニングソックス・コンプレッションウェアのラインナップも見てみてください。
岡山選手とともに歩んできたCEPのソックス
CEPは段階的着圧という設計を採用したコンプレッションソックスを展開しています。長時間の運動でズレにくいフィット感を意識した設計になっており、ウルトラマラソンのように長時間走り続ける競技とも相性を意識した製品づくりがされています。岡山選手とともに歩んできたCEPの製品を、みなさんにも知ってもらえたら嬉しいです。
まとめ
コムラッズマラソンは、100年近い歴史を持つ世界最大・最古のウルトラマラソンです。約2万人が出場するこの舞台で、岡山春紀選手は5位に入賞し、日本人として歴代2人目となる10位以内入賞を果たしました。1
仕事を続けながら早朝と深夜の時間を練習にあて、自費で世界の舞台に挑んだ末につかんだ結果です。そして岡山選手は今、9年半過ごしたチームを離れ、プロランナーとして新たな一歩を踏み出しました。5 退部にあたってCEPへも直接挨拶に来てくれた岡山選手を、CEPはこれからもオフィシャルパートナーとして支援していきます。3 みなさんも、ぜひ一緒に岡山選手を応援してください。
参考文献・情報源
1 「世界最大のウルトラマラソンで5位に入賞!『仕事先から20~30km帰宅ラン』で鍛えるスーパーの店員」RUNNET, 2026年6月23日. https://runnet.jp/topics/report/260623.html
2 酒井政人「東農大陸上部に入れなかった男が世界最古のウルトラで5位 自費21万円で挑み賞金127万円獲得!」Yahoo!ニュース エキスパート, 2026年6月25日. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cf081cc55506670d25b61b732c729cfea592baff
3 「Official Partner 2026」CEP Japan 公式オンラインストア. CEP Japan公式サイト「Official Partner」ページ
4 「卒業生のご活躍|第31回IAU100km世界選手権(ベルリン・ベルナウ)優勝 岡山春紀選手」東京農業大学, 2022年9月6日. https://www.nodai.ac.jp/news/article/20220906/
5 岡山春紀選手 公式X(旧Twitter)アカウントでの投稿, 2026年8月21日. https://x.com/1hrkokym1
6 岡山春紀選手 Facebook投稿(グリーンランド トワイライトマラソン2026 優勝報告), 2026年8月22日.
7 岡山春紀選手 Facebook投稿(コムラッズマラソン前日、南アフリカ・ダーバンより), 2026年6月13日.
